枝垂れ桜の治療
兵庫県芦屋市です。先日、枝垂れ桜の治療をしてまいりました。
樹勢が弱って、枯れ枝も目立ち花も少なくなったことから昨年より樹勢回復作業、治療をしています。
エアースコップという道具を使って枝垂れ桜の周りの土を掘ってみました。
エアースコップというのは空気圧で土を掘削していく機械です。空気圧で掘ることから根をいためずに土を掘ることができ、根があっても根より深い所まで掘ることができます。
普通のスコップで土を掘っていると根が出てくると、根を切るとか痛めながら掘り進むか、それ以上掘らないであきらめるか、ということになってきます。
今回はエアースコップを使って、根が出てきてもドンドン深くまで掘っていきました。
上の写真が土の中にあった枝垂れ桜の根っこです。数も少ないし1本1本が細く貧弱ですね。
もう1つ気づくことがあります。
枝垂れ桜の弱っていく訳
この写真は掘った穴の底の方から撮った写真ですが、根っこが地面付近の非常に浅い所にあったことが分かります。土を掘りましたので根っこが少し垂れてしまっていますが、本来ならさらに地表に近い所に根があったことが分かります。掘削したことで分かったのですが、土が締固められ非常に硬かったので根が深くまで行けず、地表付近にしか根っこが張れなかったようです。
地表付近というのは、環境の影響を受けやすい所です。寒さや暑さといった温度も気温によって変わりやすいし、水分も雨が降ったらすぐに水が得られますが、雨が降らなかったらたちまち乾燥します。夏場は過酷ですね。そんな過酷な環境にしか根が張れなかった枝垂れ桜。
枝垂桜の弱ってくる理由がわかります。
樹木医 松井裕之
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