「根腐れで枯れたの?」ときが枯れた時に効かれる方が多いですが、少し誤解もあるようです。
回りくどいですが、まず根っこの日頃の働きからご紹介します。
細根は大活躍をしている
根の先は非常に細くなっていてその部分を細根と言います。
細根はすごく活発に活動しています。
新しい場所を求めて伸びていくのは細根です。
水を吸収するのも細根です。
ただし、細根はただ単に水を吸収してはいません。水の中に不要なものや毒性の有るものが混じっていないかという分別・排除もしています。細根は細くて小さな部分ですが活発に働いています。
そのため多くの酸素を必要としています。動物もそうでが、植物も活動するには酸素が必用なのです。
根腐れになる理由
ところで植物は酸素というのはどうやって取り入れるのでしょう?
植物は人間の様に口や鼻がありません。植物は水分の中に含まれる酸素を利用します。水を吸うことは酸素を吸うことになります。水を吸わないと酸欠になってしまします。
でも、水を多く吸っても酸欠になる場合があります。水に酸素が少ない場合です。酸素の少ない水を沢山吸っても酸素は得られません。水の循環の少ないところ=滞水するとことでは、微生物などによって水の酸素が使われてしまって、水に酸素がなくなります。植物は水をいくら吸っても酸素が得られずに窒息して細根が死んでいきます。つまり、細根が枯れていくということです。
このことを根腐れと言います。水が多いから根腐れするのではないのです。酸素が足りないから根腐れを起こします。
川沿いの桜(祇園白川 京都市左京区)
よく見る川沿いの桜は元気なものが多く見かけられます。
川沿いは水分が多くあるのに根腐れせずに元気な桜が多いです。
それは、川の水は激しく循環し酸素が多いからです。植物は酸素が多い水を多く吸えますので元気に育ちます。
循環について
根腐れは単に水の多い所でなるのではなくて、水の循環しない滞水するところで起きるということが分かります。水は自然を循環しています。土の中もその通り道です。土づくりの時には水が循環することを意識して土づくりをします。
植物でもそうですが、人間の体や自然、社会や経済でも循環って大事と言われます。
樹木医 松井裕之
参考hp ⇒https://matui-jyumoku-mentenansu.com/