自然を敬い、時代を超えて蘇る庭

高知県にある名勝・竹林寺庭園を訪れました。ここは臨済宗の僧であり作庭家としても名高い夢窓疎石によって開かれた寺院で、一帯は「鶴亀蓬莱庭園」としても知られています。夢窓国師といえば、周囲の自然の地形を巧みに取り入れ、力強い石組みの庭園を手がけることで知られていますが、この庭もその例に漏れません。
現在残されている庭の姿そのものは国師が直接手がけたものではありませんが、特筆すべきはその深い敬意のあり方です。「もし夢窓国師がここにいたら、きっとこのように作るだろう」という国師への熱いリスペクトと熟練の技をもとに、後世の人々がその精神を見事に具現化しています。失われた歴史をただ嘆くのではなく、先人の美意識を現代へと見事に蘇らせたその情熱に、静かな感動を覚えるひとときとなりました。
