木の治療・樹木医

松くい虫の予防対策

松くい虫の予防をする季節です。

下の写真は松くい虫の被害を受けて枯れてしまった松です。

松くい虫の被害で枯れていく松

可哀そうな松の姿ですね。松くい虫にかかると、もう手の施し様がありません。

ではどうしたらよいのかと言いますと。予防です。対策は予防のみとなります。

「今まで大丈夫だったから」という方がおられますが、実際に被害を受けてしまった方の言われるのは、「今まで大丈夫だったのになぁー」といって悔しそう言っておられます。枯らしたくない松があれば、しっかりと予防をしてください。

ところで「松くい虫」という虫はいません。本当のことはマツノザイセンチュウ病という病気で、その病原(犯人)はマツノザイセンチュウという線虫の仲間です。この線虫はマツノマダラカミキリというカミキリの仲間が運び屋さんとなって、病原(犯人)である線虫を松から松へと運び周囲の松に病気をうつします。この病気は伝染病ですの突然病気になって黄色くなります。そして気が付いたときには、もう手の施し様がないのです。

ここからは、「松くい虫」という言葉を使います。

松くい虫の予防と言ってもどんな方法があるのでしょう?

松くい虫の予防を3つ紹介します。

①樹幹注入

②土壌灌注

③薬剤散布

です。それぞれを簡単に説明いたします。

樹幹注入  松くい虫予防

樹幹注入  松くい虫の予防

写真の方法は樹幹注入です。

よく見かける代表的な松くい虫の予防方法です。

予防効果は5年ほど続きます。

穴を空け薬剤を幹の中に注入します。

幹に穴を空けるということは幹を傷つけますので注意が必要です。

樹幹注入で溝の様に枯れた幹

写真の様に傷跡から腐りはじめ溝状に幹が枯れることがありますので注意しなければいけません。

土壌灌注 松くい虫予防

土壌灌注 松くい虫予防

上の写真は、地土に薬剤を注入することで根から薬剤を吸わせる方法です。

この方法は、幹を傷つけることはありませんが、予防効果が短く1年となっています。

薬剤散布 松くい虫予防

その他松くい虫予防の方法としては、薬剤散布があります。

手頃で簡単な方法ではありますが、1年間に数回散布しなければ予防効果が途切れてしまいます。

幾つかの松くい虫予防の方法を紹介しましたが、場合や状況に応じた方法を採用します。あるいはこれらの方法を組み合わせて予防するのがいいと思います。

 樹木医 松井裕之

松くい虫予防の参考動画👇

樹木医に関するページ⇒ http://www.matui-jyumokui.com/

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